ヤギ先生の高校地理教室

高校地理の現役教師です。高校地理の勉強に役立つ情報をアップしていきますので、よろしくお願いします。

【ノート】E1.鉱業①「エネルギー資源・石油・天然ガス」

より見やすいレイアウトになっている授業ノートのダウンロードはこちら。

ヤギ先生の高校地理教室

センター試験の解説動画を上げています。ヤギ先生の高校地理チャンネル - YouTube

 

《エネルギー資源の利用》  COMPLETE p.130,131

[1]エネルギー資源とその変遷

(1)古代~中世~近世 

 産業革命以前のエネルギーは自然力(人力・畜力・風力・水力など)に依存

(2)18世紀後半 産業革命

 …蒸気機関の発明で石炭がエネルギーの中心へ ⇒ 炭田から工業が発展

(3)1950年代 エネルギー革命

 …固体エネルギー(石炭など)から流体エネルギー(石油・天然ガスなど)への変化

 ⇒特に1960~70年代は重厚長大産業を中心とする高度成長期で、工業大発展の時代へ

 ⇒化石燃料と公害問題の発生(環境汚染・温室効果酸性雨など)

(4)1970年代 石油危機の発生

  …第1次石油危機(1973年)と第2次石油危機(1979年)

 ⇒石油に依存した世界経済や社会生活に危機的状況が生じる

 ⇒省エネルギー運動や、石油に代わる代替エネルギーとして原子力の開発利用が増大

(5)2000年代 クリーンエネルギーの普及

  ・①太陽エネルギー ②地熱エネルギー ③風力エネルギー ④水力エネルギーなどの利用が進む

 ・その他、バイオマス・海底のメタンハイドレート・水素などが将来のエネルギー資源として注目

 

[2]世界のエネルギー自給率

  • 輸出量>輸入量の国…ロシア、カナダ、サウジアラビア、オーストラリアなど
  • 輸出量<輸入量の国…日本、韓国、中国、インド、ヨーロッパ諸国、アメリカなど

 

《石油》  COMPLETE p.132,133

[1]石油とは地質時代の海棲生物が堆積後に分解されてできた化石燃料の一つで、炭化水素を主とする可燃性の液体

<分布>

新期造山帯の地域に特に多い…褶曲した地層の背斜構造にあり、上部にガス層を伴う

シェールオイル…地下深くの頁岩層と呼ばれる硬い地層に含まれる原油。2000年代初頭に水の圧力で岩盤に亀裂を入れる「高圧破砕」と呼ぶ採掘技術が確立され、10年ごろから米国やカナダで生産が増えた。頁岩層に含まれる天然ガスシェールガス)の生産拡大と合わせて「シェール革命」と呼ばれる。

 

[2]国際石油資本(石油メジャー)とOPEC・OAPEC

・油田開発には高度の技術と資本・総合経営が必要なため、先進国の多国籍企業である石油メジャーが支配 ⇒ 資源ナショナリズムの高まり

・1973年 第4次中東戦争を契機に、OPEC原油価格の決定権をにぎり、第一次石油危機

・1980年 イラン革命を契機に第二次石油危機

 

【用語】

石油メジャー…生産・輸送(パイプライン・タンカー)・精製・販売まで一貫して支配し、巨大資本を背景に

世界的規模で総合経営を行う大企業

例)セブンシスターズ(ロックフェラー等) スタンダード・オイル、ロイヤル=ダッチ=シェルなど

OPEC(石油輸出国機構)…国際石油資本に対抗し、世界の産油途上国の利益を守るため1960年に結成。

石油政策や原油価格の調整などを行う。 

OAPEC(アラブ石油輸出国機構)…1968年にアラブ産油国が、石油戦略活動を共同で行い、加盟国の利益を守るために設立した地域機構。 

※両方加盟…サウジアラビアアラブ首長国連邦イラクカタールクウェートリビアアルジェリア

OPECのみ加盟…イラン、ナイジェリア、ベネズエラエクアドルコンゴ共和国ガボン赤道ギニアアンゴラ

OAPECのみ加盟…シリア、エジプト、バーレーン

 

[3]世界の石油生産国(2017年時点)

  ※世界一の石油埋蔵国はベネズエラ(マラカイボ湖油田)

1位 アメリ(メキシコ湾岸油田、アラスカ油田、カリフォルニア油田)…世界最大の石油輸

2位 サウジアラビア(ガワール油田) …世界2位の埋蔵量

3位 ロシア(チュメニ油田) …外国資本を導入してサハリン(樺太)などの油田開発を計画。

   ※1位~3位は同程度

4位 カナダ…重質のタール状の原油を含む砂層であるオイルサンドが採れる

5位 イラン…西アジアで最も歴史のある産油国

6位 イラク

7位 中国(ターチン油田)…西部地区の油田の開発(シンチヤンウイグル自治区など)

アンゴラなどアフリカ諸国に積極的に進出し、油田開発

8位 アラブ首長国連邦

【その他の産油国

ナイジェリア …アフリカで最大の産出量を誇る。  

●メキシコ…カンタレル油田、現在は産出量減少

ノルウェー・イギリス…北海油田        ●インドネシア…ミナス油田

 

天然ガス》  COMPLETE p.134

[1]天然ガス…天然に産出する可燃性の炭化水素ガスで、主成分はメタン

・高カロリーで、純度が高く、汚染物質が少ないのでクリーンエネルギーといわれ、火力発電など需要が急増

・輸送には液化天然ガス(LNG)としてパイプラインタンカーを用いる

・北米では頁岩という岩盤から採取されるシェールガスの生産量が増えている。

 

[2]世界の天然ガス生産国(2017年時点)

1位 アメリ(20%)…生産量は多いが消費量がさらに多いため、世界最大の輸入国

2位 ロシア(17.3%)…ガス田からパイプラインがヨーロッパまでのびている。

             生産量はアメリカ合衆国とトップを争っているが輸出量は世界最大

3位 イラン(6.1%)

4位 カナダ(4.8%)

5位 カタール(4.8%)

※日本にも、埼玉県南東部から千葉県にかけて日本最大の南関東ガス田が存在するほか、北海道や新潟でも産出される。日本は世界最大の天然ガス輸入国。